熱を制御するエンジニアリング技術で、
産業と社会を支える様々な施設に貢献している当社。
ここでは、そんな当社のソリューション事例の一部についてご紹介します。
私たちの生活に欠かせない、食文化。
本ソリューションは、そんな「食」のど真ん中に立ち、日本中の食卓を支え続けている大手食品加工メーカー様。
「一年後の完成を目指す」という短納期と向き合い、お客様の隠れたニーズまで引き出したプロジェクトを探る。
お客様は、日本人なら誰もが知っている大手食品加工メーカー様。ハムやウインナー、ソーセージといった肉加工品から、コンビニやスーパーマーケットのショーケースに並ぶお惣菜や調理品まで、多種多様な家庭向け食品を製造されている。全国各地に製造工場があり、当社も複数の工場でお取引があった。
そんな折、お客様の社内で「人気商品の増産」が検討された。トレンドの波を受けて需要が高まった商品の生産力を向上したいと考えたのだ。
しかし、そこには問題もあった。それは「トレンドの移り変わりの速さ」。食品業界は非常に流行のサイクルが速く、数年後には人気が移り変わってしまう。そのため、増産用の新築工場を急ピッチで完成し、すぐに市場へ投入する必要があったのだ。
こうして、「設計開始から工事・完成・生産スタートまで、わずか1年」という極めてタイトな大型プロジェクトがスタートした。
提案には、当社を含めて複数社が参加した。その中から、費用面とスケジュール面、何より内容を踏まえて、お客様がパートナーを選択するのだ。
提案にあたり、当社はまず「現場の視点」を大切にした。実際に稼働している同種の工場へお伺いし、お客様と一緒に動線や生産性を考え、工場レイアウトを作り込んでいったのだ。中でも、当社の主力事業である「低温設備」においては、冷蔵庫や冷凍庫の中に入る物・量などの条件や、壁の厚さや流入空気などの外的要因による負荷をも加味した専門的な熱負荷計算を実施。まさにお客様の「隠れたニーズ」まで満たす、質の高い提案を行った。
低温設備と同様、食品工場の心臓部にあたる「クリーンルーム」の空調設備・換気設備に関しては、メンテナンス性も考慮して提案をしました。それ以外にも、工場内にカビが発生しないよう除湿機の設置を検討したり、外からの虫の侵入を防ぐため換気設備に独自の工夫を行ったりと、これまで培った食品工場のノウハウを最大限に活かしたプランを立案しました。最終的に、当社がパートナーとして選ばれた理由の一つは、そうした細かい工夫を喜んで頂けたからではないかと考えています。
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最終的に、弊社が行った工事の範囲は、給・排水設備をはじめ、空調設備、換気設備、低温設備、生産機器のユーティリティ設備と、工場内ほぼ全ての設備工事に及んだ。短納期ではあったが、関係者の尽力とお客様のご協力のお陰で何とか工場は完成。生産が始まり、次々に出荷される商品を目の当たりにすると、関係者一同、何とも言えない達成感に満たされたという。
何より、お客様が安心・安全な食品をご家庭へ届けられる環境を築けたこと、そして日本中の食卓の笑顔を陰ながら支えられたことに誇りを抱くことのできるソリューションとなった。
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